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薬剤部

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  • チーム医療

概要


薬剤部集合写真(左)プレアボイド報告施設証(右)

業務現況 薬剤師:28名 調剤アシスタント5名 採用品1171品目
外来処方は98%院外
①入院処方せん件数:3435枚/月平均
②注射処方せん件数:5738枚/月平均
③薬剤管理指導件数:1365件/月平均
④高カロリー輸液無菌製剤件数:1370件/月平均
⑤抗がん剤調製件数:70件/月平均
⑥持参薬鑑別件数:405件/月平均

日本病院薬剤師会プレアボイド報告施設
病棟薬剤業務実施加算算定(2012.4より)
専門・認定薬剤師数(2015.3現在)
専門・認定薬剤師(2015.3現在)
日本病院薬剤師会 感染制御認定薬剤師 2名
日本化学療法学会 抗菌化学療法認定薬剤師 2名
日本静脈経腸栄養学会 NST専門療法士 1名
日本臨床腫瘍薬学会 外来がん治療認定薬剤師 1名
日本薬剤師研修センター 認定実務実習指導薬剤師 4名
日本薬剤師研修センター 認定薬剤師 12名
日本病院薬剤師会 生涯研修認定薬剤師 6名
日本病院薬剤師会 生涯研修履修認定薬剤師 1名
医療経営士3級 1名
教育
①院内勉強会

当院薬剤部では、新規採用薬や薬物療法の勉強会(年間30回程度)に加え、月に1回以上の症例検討会などを開催しており、患者さんに適切な医療を提供できるよう努めています。
また、薬剤だけではなく幅広い知識を得るために、他部署と連携して感染対策やNST関連等の院内全体における勉強会も行われています。

②新人教育

主に教育担当の薬剤師が中心となって新人業務の達成度に関する年間目標を立て、新人一人ひとりの進捗状況を把握しながら教育を行っています。また、働きやすい環境を作るために、精神面にも配慮しながら医療人としての意欲の向上と精神的な成長を支えています。

③学会発表

日本病院薬剤師会関東ブロック学術大会、日本医療薬学会、日本静脈経腸栄養学会など多数の学会で発表を行っています。今後も、病院薬剤師として患者さんのために何が出来るのかという視点で、他職種と連携した研究をはじめ、大学との協働研究などを検討しています。


薬剤部内勉強会(左)第24回日本医療薬学会年会(2014.名古屋)(右)

業務

調剤業務

当院では外来は夜間・日曜・祭日以外ほぼ院外処方のため、入院調剤を主として行っています。オーダーリングシステムを通して、医師が処方した処方箋に基づき、自動調剤分包機等の調剤システムを使い、調剤を行っています。この際、薬の用法・用量、他の診療科との薬の併用、重複などに問題がないか、電子カルテなどを用いて確認を行っています。


電子カルテシステム(左)散剤調剤(右)

注射調剤・製剤業務
①セット業務

オーダーリングシステムによる注射処方箋から、投薬量・投与時間・投与ルート・重複投与、配合変化・安定性などを確認した後、患者さんの氏名・薬剤名が記載されたラベルを貼付し、一人一人の注射薬をセットし、病棟に払い出しをしています。

②混注業務

中心静脈から投与される高カロリー輸液は、薬剤部製剤室内のクリーンベンチ内で無菌的に薬剤師が混注を行い、病棟へ払い出しています。また、外来および入院化学療法で使用される全ての抗がん剤に関して、外来化学療法室横の製剤室にて安全キャビネット2台を使用し、薬剤師が混注を行っています。

③製剤業務

市販されていない製剤を院内製剤として調製し、外来、病棟へ払い出しています。


安全キャビネットでの抗がん剤の調製(左)クリーンベンチでのTPNの調製(右)

外来化学療法業務

化学療法業務では医師から提出された化学療法レジメンの審査(使用薬剤、投与量、投与速度、投与スケジュール)、服薬指導等を主に行っています。さらに、内服抗癌剤のみで通院治療を行っている患者さんに対しては、診察前に外来がん治療認定薬剤師が面談を行い、副作用やコンプライアンス等の確認をすることで、安全で効率の良い診療に貢献出来るよう努めています。
現在、看護師、栄養士といった他職種とも協力し、多方面からのアプローチをすることで、患者さんに適切な医療を提供出来るように取り組んでいます。
近隣の薬局とは、お薬手帳を通じて患者さんの情報を共有しています。今後さらに薬薬連携を充実させていく予定です。


化学療法室(左)化学療法室での服薬指導(右)

医薬品管理業務
①発注・在庫管理

病院在庫、病棟薬品、救急外来薬品、救急カート薬品の定数管理はもちろんのこと、使用期限の管理も薬剤師が行っています。

②重点管理対象薬剤の管理

院内に保管されている麻薬・向精神薬・毒薬・血液製剤の在庫管理や鍵等の管理状況を確認しています。また、ハイリスク薬なども分けて保管しリスクの防止に努めています。

③手術用薬剤のセット交換管理

心臓血管外科や心臓カテーテル検査に使用される薬品は、セット交換方式による管理を行っています。


医薬品管理業務(左)心臓血管外科手術セット交換業務(右)

医薬品情報管理業務
医薬品情報管理業務

厚生労働省などの公的機関や製薬会社、書籍などから情報を入手し、整理・保管し、医師や看護師などの医療スタッフへの情報提供を行っています。
また、定期的にDIニュース(院内新規採用薬情報等)やDrug Informationの発行、採用医薬品の管理などの業務を行っています。
医薬品情報一元管理システム(JUS-DI)が導入されており、毎日医薬品情報が更新されるため、最新のDI情報を漏れなく把握することが出来ます(電子カルテ画面で参照可能)。
また、JUS-DIを利用し、独自での情報登録も行っており、院内全体の情報共有に努めています。
日本病院薬剤師会より、プレアボイド報告施設と認められており、積極的に薬剤師の評価のためにも邁進しています。


医薬品情報管理室(左)JUS-DIシステム(中央)Drug information(左)

病棟業務
①病棟薬剤師業務

10病棟全てに専任薬剤師が15名従事しており、薬剤管理指導をはじめ持参薬聴取と管理、内服薬セット、カンファレンスの参加、処方切れの関与、処方提案、医師と合意の元での処方入力など病棟活動を積極的に推進しています。(病棟薬剤業務実施加算:2012年4月より算定)

②薬剤管理指導業務

病棟ごとに指導班を組み、服薬指導を実施しています。入院患者さんの既往歴、持参薬、副作用・アレルギー歴などを確認した後、薬品情報提供書を利用した薬の説明を行い、服薬状況の確認や副作用症状の発現などを確認しています。
薬の使用が適正であるか、また患者さんのコンプライアンスはどうであるかなどを医師・看護師にフィードバックし、患者さんに正しく安全に薬を服用して頂けるように努めています。当院では、病棟薬剤師の指導の下、1年目から薬剤管理指導業務に携われるように教育プログラムを組んでいます。

TDM業務
TDM業務

当院では、抗菌薬に対して解析ソフトを用いたTDM(治療薬物モニタリング)を行っています。
TDMとは、個々の患者さんに適した投与設計を行い、適正な薬物療法を行うためのモニタリングのことをいいます。
効果が出るとされる有効血中濃度から、副作用が出やすくなる中毒域までの幅が狭い薬物や、個人差が出やすい薬物を対象に行っており、現在はバンコマイシン、テイコプラニン、アルベカシン、ゲンタマイシンに対してTDMを行っています。
業務内容としては、①投与開始時の初期投与設計や②採血後の血中濃度解析などを行い、医師と投与量の検討をして、有効性の向上や副作用防止に努めています。


① 2014年度TDM初期投与設計の実績

件数 処方提案数 処方変更数 処方変更率
154件 139件 133件 95%

② 2014年度採血後の血中濃度解析の実績

件数 処方提案数 処方変更数 処方変更率
127件 62件 59件 95%
※採血結果が有効血中濃度からはずれた場合に、再度提案した数


解析ソフトを用いて、バンコマイシンのTDMを行った例

チーム医療

①褥瘡予防対策

医師や看護師と共に病棟ラウンドを行い、患者さんごとの褥瘡の状態において適切な薬剤の種類や方法をアドバイスしています。

②院内感染防止対策

当院は感染防止対策加算1を算定しており、大学病院など感染防止対策加算1取得施設同士の連携に加え、感染防止対策加算2取得施設へのコンサルテーションなども行っています。薬剤部主導の抗菌薬ラウンドに加え、環境ラウンドにも、ICTメンバーとして薬剤師が参画しており、院内や地域の感染対策に貢献しています。
また、一部の注射用抗菌薬は届出制にしており、抗菌薬の適正使用と耐性菌防止に努めています。

③医療事故防止対策

医薬品の安全使用に関することは医薬品安全管理責任者(薬剤師)が中心となり、施設内で取り扱う医薬品の安全管理を率先して行っています。安全管理委員会においては、化学療法関連、医薬品安全管理等で薬剤師は特に重要な役割を担っています。
また、アレルギーや転倒転落チームにも薬剤師が積極的に加わり、院内の医療安全業務に寄与しています。

④NST委員会

日本静脈経腸栄養学会NST稼働認定施設として、NST専門療法士や各職種スタッフが協働し、すべての患者さんにより良い栄養管理が等しく行われるよう活動しています。薬剤師は特に中心静脈栄養に関する処方設計や、喫食状況の変化に関係する医薬品使用の評価等を行っています。


回診の様子